「てことはタカシ?」
「え?」
「よかったー、連絡くれて。ずっと連絡とりたかったんだよ、タカシ」
「あーあのさ、つもる話はあるけどちょっとお願いがあってさ」
「えー! こっちと同じお願いじゃない! だってタカシ、うちの金庫にたくさんお金貯めこんでたでしょ?」
「暗号」
「え?」
「え?」
「あんたがヒロシと階段ころがりおちて体入れ替わったじゃない? そのあと家出たから暗号わかんなくなっちゃってね」
「そ、そうだね」
「暗号おしえて」
「あ、いや、ちょっとまって……」
「どうしたの?」
「えーと……じつはさ家出てからまた別の人と入れ替わったから暗号はもう」
「誰よ?」
「え?」
「誰?」
「あ、あの、そうそう! トム! トムだよ! だからもうわかん」
「あ、いや、トムじゃない。そのトムじゃない。まちがえた。ジム。ジムだよ」
「ジムは私でしょ」
「えー! あ、いや、あの、その」 ガチャン!
ってことがあって危うく大金をとられるところだったのですけど、大丈夫だったみたい。あー、よかった。 ってか結局、誰がどれ?