2014-02-14

イッツ・ゲッティングベターオール・ザ・タイム


人もまばらになった夜のファミリーレストランで姉は、プリンを食べたいの、と、腫れた目を開いて言った。

私は、あの人と何かあった?と聞いた。あの人は疲れているの、と姉は返した。

每日とても忙しくて、夜遅くに、帰ってくるの。手を冷たくして。

姉の夫は根は優しいが、神経質で体も弱く、激務に耐えられるような人ではない。

ある夜、不燃ごみに捨てられたプリンプラスチックケースを見て、姉の夫は言った。

お前は自由にできて、いいな。

私はあの人は、そんなふうに言わない人だって知ってるから、疲れてる、って知ってるから、何も言えない。

からプリンを食べるのを止めたの。そういうことをしないようにした。姉はそう言った。

そういうこと、がどのくらいのことを含んでいるのか、私は聞かなかった。

姉がカフェラテのカップを下ろすのを待って、私は言った。私はおねえちゃんのことが好きだよ。

うん。知ってる。ありがとう。姉はかすれた声で、少し笑って、そう返した。

日本はかつての元気を取り戻そうとしている。

でも先に進む人達がいる一方で、取り残されてしま人達もいる。姉と姉の夫がどうなるか、誰にもわからない。

ハードワークは時に人の心を轢き潰して、絆さえも引き裂いてしまう。

二人に幸せになってほしいと思う。勝手だと思う。でも祈る。

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