子供の頃私は恋多き女だった。様々な男の子に恋をして、いつも玉砕して「両思いってなかなかないんだなあ」と涙した。
そうだよね、両方が同じように相手を想って恋をするなんて奇跡みたいなものだもの。
そんな奇跡が簡単に起こるはずないよね。
巷のカップルはみんな相手を想い合っている幸せな人達なんだと思い込んでいた。
でも、大人になって、みんなそうではないことに気がついた。
私も「そこまで好きでもないけど、まあ一緒にいて楽しいから」程度の男と付き合っていた。
恋をする、愛するという感情が欠如している自分を直視できなくて、何とも言えない気持ちになって過去を思い返した。
あの頃の私はなぜあんなにも純粋だったのだろう。
今の私にはわからない。