2013-11-11

日曜日の深夜、こんな時間危険だ。自分について考えてしまう。そしてそれがどんなことであっても、ただなんとなく息苦しくなる。自分の「これから」のことは、何もかもが未定で、だからなんとなくうまくいかなそうな気がする。自分の「今まで」のことは、もう取り返しがつかなくて、そして何もかもが失敗だったり間違いだったりしたような気になる。

 だから他人がうらやましくなる。なんでもいいから、だれでもいいから、自分ではない誰かの人生がうらやましくなる。誰もかもがうらやましい。自分とは違う仕事を持つ人、自分とは違う家族友達を持つ人、同じような環境にいてもみな私とは違う人生を生きている。たとえそれが日銭を稼いではすべて安酒に変えてしま中毒者であったとしても。どんな人生でも、それが私の人生ではないというだけで、うらやましくなってしまう。私もそんなふうに生きたい、と思う。私は私ではない人生を生きたい。私は私であることをやめたい。

 もちろんこの羨望はただの錯覚で、朝になれば、体の中からすっと抜け落ちていくんだって分かっている。だけど夜明けまでの数時間、どうやってやりすごせばいい? 酒を飲みたいけれど、もうそんなことも許されない時間だ。

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