クリーニングに出していたり、裾が汚れていたりして
当然だ。これを新調したときは今より体重が10キロ以上軽かったのだから。
まぁ、しょうがないよなぁと、昨年はまだ余裕があったはずのぱんぱんに張った太もも当たりが
気になりつつも、靴下を履こうと近くの椅子に腰掛けたら
慌てて立って椅子を振り返るも何もない。
また座ると、音が響いた。
何だろうな……そう首を捻りつつも、嫁にいつものように
姿見の前で振り返れば、真っ二つに別れたスーツのお尻のラインから柄パンがコンニチハ。
先ほど聞いた乾いた音は、縫い糸が切れた音だったのだ。
朝は低血圧で不機嫌な嫁が久しぶりに見せた、
まだ余韻の醒めなそうな顔を思い出しつつ、
俺は痩せることを誓った。