一番つらかったのは出棺後だった
出棺して葬儀場について最後のお別れをして
銀色の扉が閉じられて
ボタンを押される瞬間は目を閉じていた
1時間経って扉が開けられた時
あんなに花で一杯にしたのに
出てきた時には白い物質だけになっていた
カラカラと音を立てるその白い物質を
お箸で白い壷に入れて
ここが頸椎です なんて説明を受けて
正方形の小さな箱の中におさめられてしまった
180cmの長身のあのひとが
たった一つの小さな箱の中に
いまでもまだ現実感がない
実家に戻ってから
葬儀の人が四十九日法要やら仏壇やら墓の話を矢継ぎ早にされていたが
誰の頭の中にもちゃんと入っていないようだった
日本の葬式のシステマチックさには感嘆する
これを、大好きな人の分だけ、繰り返さないといけないと思ったら
かなりキツいな
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