普通学校へ進学させた親を怨みます。脳性まひの男性:Birth of Blues
http://birthofblues.livedoor.biz/archives/50847397.html
を読んで、少し考えたことを書く。
私の兄は自閉症だ。
小学校、中学校と養護学級のある公立の学校で過ごし、高校は養護学校(今は特別支援学校と言うらしい)に通った。現在は障害者用のワークセンターで働いている。
兄自身は自分の幸・不幸とか難しいことは語らないのでわからないが、毎日ちゃんとバスと電車を乗り継いで仕事に行って、時々携帯のカメラで風景を撮影して帰ってきて、暇な時間は絵を書いたりインターネットをしたりして過ごしているので、多分充実した毎日を送っているのではないかなと思う。
私も兄がいることで何らかの不利益を蒙っていると思ったことはないし、両親も決して兄のことを不幸だとは思っていない。はずだ。
ここまで書いて、元記事で紹介されている方々と私達家族では境遇が違いすぎるということに気付いた。
でも気にしない。考えるきっかけとなった、というだけで十分だ。
「普通の学校に入れる」ということはそんなに重要なことなのだろうか。
勿論、様々な理由があると思う。
通える距離に養護学校・学級がない場合は近くの学校で受け入れてもらいたい、特別支援学級を新設してもらいたいと思うのは普通だと思う。
でも、そうでない人が頑なとして「普通」学校・学級に行きたいと思うのは何故なのだろうか。
友達と同じ学校に通いたい?
友達なんて学校が変わったらまた作ればいいだけの話だし(第一、クラスが変わったらまた新しい友達を新しいクラス内に見つけるのが普通)、現在は電話もメールも発達しているのだから毎日顔を合わせなくても友達関係を続けるのは可能だろう。
健常者であってもここで学力差により学校が離れて、友達関係が薄れてしまうこともあるというのに。
(なので個人的には、以前どこかで見た「知的障害者が普通高校に入れるように問題を解きやすくして便宜を図る」ような活動には懐疑的だったりする。
目の不自由な人のために問題用紙の字を大きくするとか、拡大鏡の持ち込みを認めるとか、そういうのは歓迎だが、問題そのものを「障害者のために」変えるというのはどういうことなのだろう?と。
それで合格したとして、彼らが本当に普通学級の授業についていけるのか。高校は義務教育ではないし、留年だってありえる場所だ。テストのたびに彼ら用に解きやすい問題を作るのか。それは結局彼らに対する「特別扱い」であって、普通学級という肩書きの下で行われる養護教育に過ぎないのではないか)
他にはどんな理由があっただろう。主張はさまざまあったと思うが、全てを追う時間はないし、そもそもそこが本題ではなかったので切り上げる。
(さっき別の増田を見たら「特別支援学校の現状は~」というものがあった。特別支援学校の現状に問題があるというのも理由の1つかもしれない。何が問題なのか把握してない身で申し訳ないが、本題はやはりそこではないので切り上げる)
20数年間自閉症の兄と共に生きてきて、こういう報道や話題には敏感になった(と言っても何か社会に対し意見を発するために敏感になっているのではなく、野球が好きだからプロ野球速報が気になるとかそれと同じような敏感さだ)が、親や子が出て涙ながらに訴える記者会見とかを見てもあまり共感はできない。
私は私であって、彼らではないというのも共感できない理由の1つだろう。
だがきっと、共感できない一番の理由は、特別学級・養護学校に通い、障害者ワークセンターで働く兄が、充実した毎日を送っていると思っているからだろう。
「普通学級に通わない」ことが全ての障害者に統一化された不幸ではない、ということを、私は兄を見て、知っている。
むしろ、本当に不幸なのは、親と子が通じ合えず、元記事のように親を恨んでしまうことなのではないかと思う。
誤解を避けるために書くが、前述の通り私は障害者を必ずしも普通学級に入れる必要はないと考えているし、特に受験の問題を解きやすくするといったことには懐疑的な人間ではあるが、障害者とその親が「普通学級に行きたい」と希望し訴えること自体には反対してはいない。
本人たちが強く希望しているのならばそれを咎める権利は誰にもないと思う。
その希望が通って普通学級に行けたなら「よかった」と思うし、希望が通らなかったら「希望通りにならなくて残念だった」と思うだろう。
ただ、思うことは、普通学級に入学した「その後」のことをきちんと考えてほしいということだ。
入学はスタートであって、ゴールじゃない。普通学級で過ごした彼らが将来どうなるのか。それをよく考えてほしい。
高卒で就職を考えている人が名門進学校に進むのはよい選択とは言えない。進学校には大学のパンフレットは来ても、企業の求人票は来ないからだ。
それと同じように、学校を出たら子供を就職させたいと考えている障害児の親が、その子が働くために必要な技能を身に付けさせられない学校に進ませるのはよい選択とは言えないと思う。
長い目で、自分の子供の幸福を考えてもらいたい。その上で、子供にとって何が本当に最善かをじっくりと考えてもらいたい。
勿論、今活動している多くの親がそこまで考えた上で子供は普通学級に行くのが最善だと考えていると思うので、当人達に訴えることはしない。
増田の片隅でこうしてひっそりと祈るに留めておく。
どうか全ての人が己の人生にとって最善となる選択ができますように。と。
そういえばこれを書いている最中に思い出したのだが、誰が教えたわけでもないのに(多分高校時代の私が四六時中インターネットしてるのを見ていたんだろう)兄がインターネットを始め、両親が非常にやきもきしている。
怪しいサイトに行かないかとか、変なウィルスに感染してしまわないかとか心配だそうだ。
ウィルスに関してはウィルス対策ソフトをインストールし、ファイヤーウォールも動かしている。だけどサイト閲覧に関しては現在はスルー状態だ。
両親には「たまにブラウザの履歴を確認するように」と連絡したが、いつの間にか兄は履歴の消し方まで覚えたらしい。どこで覚えた。
なので、最終手段としてフィルタリングソフトを導入したいのだが何かオススメはないだろうか。条件はだいたいこんな感じで。
・有料/無料は問わない
・メンテナンスに極力手間がかからないこと
普段そのPCに触れるのは私ではなくPC知識のほとんどない両親(どの程度かと言うと、インターネット自体はできるが、FLASHやAcrobatReaderの更新が来るたびに「これってどうすればいいの」と私に電話してくる程度。あと、気付いたらSafariがインストールされてた)と兄なので、これは必須。
・制限オンオフの切り替えが容易であること
両親は制限ナシでインターネットできる必要があるため、これも必須。
ただ、ワンクリックで解除できるとかだと少し困る。兄は学習能力が高いためこの程度ならば簡単に外してくるだろう。
ちなみに、ログオンするたびにいちいちクリックしたりパスワードを入力するのが面倒臭いという両親のために窓の手の自動ログオン機能を使っているため、ログインユーザと設定を紐付けするタイプは×。
こんな大事なことを思い出させてくれた元記事には本当に感謝している。
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追記
ブコメでhpHosts教えてくれた人どうもありがとう!無料でこんなものがあったなんて知らなかった!
というわけで早速調べてみたのだけども、英語アレルギーの私には辛うじてどういうものかを理解するのが精一杯でしたorz(しかもhpHostsでぐぐって理解したとか…)
というわけで追記。
ホントすいません(;´Д`)
ちなみに暫定的な対処として、家のPCのブラウザは起動時にキッズgooを表示するようになってます。無意味に近いですけど…。