2024-04-01

うちの会社には窓際に社員がいる

所謂窓際族”というもので、俺が入社した当時から居る。

彼とは一度も話をしたことがなく、風貌からして自分父親と同じぐらいの年齢かもしれないなと漠然と考えていた。

しかし彼が仕事らしきものをしているところを一度も見たことはなく、そもそも誰かと話しているところさえない。

日がな一日、ただぼぉーっとあの席に座っているのみである

たまにチラリと視線を送ると目が合うことがあり、そのときには妙に焦りすぐさま視線を逸らしたものだ。

うちの会社大手ではないし、別段それほど儲かっているようにも思えない。

まりお荷物社員をずっと置いておけるほど余裕があるようには感じられず、彼の存在一種の謎であり、興味を惹かれるものの深入りする気にまではなれなかった。

そんな彼だが、今日4月1日。といっても業務に変わるところはなく、ふと何気なく彼のことを見るとこそばゆそうにしており、くしゃみの前段階を匂わせるように顔をくしゃらせ僅かにのけ反った。

「ふぃくしょーん!!!」

彼は大仰にくしゃみし、その声はフロア一面に響き渡った。

俺はなるほど、と思った。つまり、そういうことなのだなと。

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  •  \深イイ〜/ \深イイ〜/ \深イイ〜/

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