2017-02-14

[] #15-2「返し返し」

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「お返しウロボロス

歌:フォン 作詞作曲:フォン


ある日ワタシは貰った 何らかのモノ

『お返し』をしなければ ワタシは試されている

気にしなくてもいいよ と言うけれど

もちろん嘘さ 建前なのさ

与えない人間は クズ

さな人間は もっとクズ

から『お返し』をするのさ

ギブ アンド テイク

ギブ アンド テイク

けどある日ワタシは また何らかのモノを貰う

そう『お返し』の『お返し』なのさ

何はともあれ また『お返し』をしなければ

そう『お返し』の 『お返し』の 『お返し』なのさ

ギブ アンド テイク アンド ギブ アンド テイク

ギブ アンド テイク アンド ギブ アンド テイク

どこまで続く どこでやめればいい

ワタシにも分からない きっと誰にも分からない

死ぬまで続くかも もしかしたら死んでも続くかも

ああ また『お返し』がきた 『お返し』をしなければ

ギブ アンド テイク アンド ギブ アンド テイク アンド ギブ アンド テイク

ギブ アンド テイク アンド ギブ アンド テイク アンド ギブ アンド テイク……



「それでは、ワタシも持ち場に戻ります……今日、家に帰ったらチョコの値段を調べないと……」

ぶつぶつと言いながら、フォンさんは休憩室を後にした。

恐らくチョコの値段を調べたら、そのあとは妥当な値段かつ後腐れのない品物選び、そしてそれを手に入れるのに苦労するんだろう。

フォンさんの後ろ姿を眺めながら、父は彼の七難八苦な未来他人事なりに心配していた。

「いや……俺も考えておかないとな」

バレンタインが社内で禁止されるようになったのは、それからもうしばらく先の話である

(#15-おわり)
記事への反応 -
  • バレンタイン、営業戦略から始まったらしい大衆文化は、今や欠かせない一大イベントである。 そして社会に浸透したそれは、様々な側面でもって人間の喜怒哀楽を彩る。 とある会...

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