■健常者を完全に信じることはできない

やはり、障害を持って生まれると、健常者を完全に信じる事はできないことに気がついた。

世の中の大多数は健常者な訳で、それは何をやってもひっくり返らない。健常者が結託すれば、いつでも我々は皆殺しにされる。健常者は人口の9割以上なので、障害者は人間でないことにしよう、みたいな憲法改正案が出たら、簡単に負ける。健常者が結託しさえすれば、我々を人間でなくすることは簡単だ。

健常者にとって、「生きたい」と「自分の仲間を増やしたい」は、両方とも大多数が賛成できる考えだ。自分の仲間を増やしたいから家庭を作り、子供を産む。子供を育てるために働く。人生の大部分が、「自分の仲間を増やすのは良いことだ」という理由で正当化されている。良いことだと思われている。

けれども、我々にとっては違う。自分自身は生きたいが、自分と同じ障害の人が世の中に増えて嬉しいと思う障害者は一部だ。そこが決定的に違う。仲間を増やす権利は認められているが、仲間を増やすのは良いことだと思われていない。だから、家庭を作るのも良いことではないかもしれないし、子供を作るのも良いことではないかもしれない。とすると、子供を守るために働くのも良いことではないかもしれない。とすると、自分のためだけに働いて、家庭を作らず死ぬのが良いことなのだろうか？そうやって生きる障害者が真に倫理的なのか？だとすれば、別に今死んでも構わないのではないだろうか。我々は死ぬことが社会から求められているのではなかろうか。我々の存在すべき理由を、健常者に示せるだろうか。どこかに我々に死んで欲しい健常者がいるのではなかろうか。

そう考えていくと、全ての健常者が自分に死んで欲しいと思っているという前提で生きることが、障害者にとっての最大のリスク回避になる。だって、どこに我々に死んで欲しい健常者が潜んでいるかわからないのだから。常に、命を狙われていると思って生きた方がいい。

Permalink | 記事への反応(2) | 02:24

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