2013-04-17

孤独のグルメ 第八話に関する考察

井之頭五郎の名を不朽のものとした傑作、いわゆる焼肉回。

数多の名言に彩られた本作の中には一つの謎が埋もれている。

彼は何をしに川崎に行ったのだろうか?


2ページ目の7コマ目で五郎は「大仕事はこれからだっていうのに、元気つけなきゃ」と発言している。

ということは何かの取引だろうか?

だが仮にも客商売である。これから客と会うというのに焼肉をそれも腹いっぱい食べるというのは少々考えにくい。

スーツから焼肉臭をプンプン漂わせたオッサンが素敵なヴェネチアグラスを売りに来たら?

ハンバーグ屋の店主でなくとも間違いなくアームロック騒ぎになるだろう。


ではプライベートだろうか?

最終ページの5コマ目で五郎堀之内ソープ街に触れた発言をしている。

ということは彼の言う『大仕事』とやらは風俗隠喩なのだろうか?

しかしこれはこれで疑問だ。今から女性と接するという時に焼肉を食べるとはナンセンスにも程がある。

どんな時でも紳士であれというのが彼の信条のハズだ。

そもそも性欲というのはあれで中々デリケートな欲望なのだ

これから一発勝負をするという時に腹を膨らませて感覚を鈍麻させるなど愚の骨頂。

直前の食事は軽めにして体調を万全に整えてから事に臨み、戦いを終えた心地良い疲労感の中で食事を楽しんでこそ真のグルメと言えよう。

ありふれた日常の中にも詩的情緒を求めて止まない彼がその程度のことも理解していないはずは無い。

謎は解けないのである


まぁ真実がなんであれ焼肉は素晴らしいものだ。

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