優秀な創作家は、必ず一つは自らの『死に至る病』を持っているものだ
つまり、強烈な問題意識というものだ。自分の人生の中で、これだけは解決せねばならないという、そういう根深い問題を抱えているものなのだ。
よくよく、「作家になるにはどうすればいい?」とか、「作家になるにはどういった素質が必要なのか」という問いを投げかけてくる人間は多いが、しかし実際のところ、そんな問いを繰り出してくる時点で、その人物が作家という存在からひどく遠い位置にいるのは分かり切ったことである
本当の意味で優秀な作家というものは、自身の中に常々考えているある一つのことがある。そのことが、彼に創作を強いるのだ。
そして、彼は自分の創作の中で、その問題とケリを付けようとするのである
私が言いたいのは、結局のところそういう問題を抱えていない人間には、創作をする意味は無いということだ