2009-10-26

東京を使いこなせない人

http://d.hatena.ne.jp/chanm/20091024/1256409168

で、

平田 そういうおもしろい授業をたくさん受けて大学に来る子達。

>例えばミュージカルを観たり、美術展を観たり、海外留学していたり、

>親の趣味もあるけれども、いろんな豊かな教育を受けて東大に来る子達と、

単位未履修で世界史も知らないで、とにかく受験の科目しか勉強してこないで、

>脇目も振らずに東大に来た子達、特に女子の場合に、やっぱり文字通りの

カルチャーショックを受けて、不登校なっちゃう子もいるんです。

>要するに、教育地域間格差は解消したんだけれども、

文化格差がものすごいから、その地域間格差が、今、大学生達を苦しめているんですね。

佐々木 でも、子ども自分で「やっぱりミュージカルを観なくちゃ」とか、

>なかなか思えないから、親というか、家庭環境がものすごく大切だということですね。

>でも、それこそ格差というか、どう子どもを育てるか、どのくらい重層的な、

>多角的な生活をするかっていう親の生活価値に関係してくる。

とあるが、実際に首都圏3,500万人の中で、東京のさまざまな文化イベント

貪欲に参加しまくっている人が、どれだけあるのか?

確かに東京豊富美術館とか博物館演劇とかミュージカルの多さは

好きな人にはたまらない」だろう。

しかし、首都圏3,500万人のうち、例えばミュージカルに関心がある人は1%で、

残り99%にとっては「どうでもいい話」である。

※1%と言っても35万人もいるから、市場として成立するには充分な数であるが。

確か森ビル系の研究機関が、「東京人は他都市と比べて美術館に行く頻度が少ない」と

嘆いていたが、これって「二極分化」しているんじゃないか?

美術に興味がある1%だか10%だかは年に何回も行くが、興味がない90%だか99%だかは、

全く行った事がないのである。

で、ミュージカルに興味がある人にとっては、逆にスポーツイベントなんかは興味がなかったりする。

ミュージカルにも興味がある、スポーツにも興味がある、美術にも興味がある、という

マルチな人は、3,500万人の中で、1万人もいるかどうか。

要は、「東京文化イベント豊富でスゴイ」というのは、確かに事実ではあるのだが、

「殆どの人は文化イベントの多さを使いこなしていない」のも事実である。

しかし、「文化イベントの多さに起因するマイナス面」というのもあって、

このマイナス面は、文化イベントを使いこなしていない人にも、平等に降りかかる。

その典型例が渋滞や混雑である。

東京オリンピック都民の支持を得られなかったのは、

まさに「文化イベントが多すぎて、消化不良を起こしている」ことを都民が肌で感じていて、

「これ以上文化イベントが増えると、都市にもマイナス」と判断したからだろう。

実際、知事肝いりで始まった「東京マラソン」は、都市機能を低下させている。

なので、「文化イベントが多い」と東京を礼賛するのもいいが、

「多すぎることの弊害」にも目を向けるべきだし、

「一定水準以上多くなっても、イベントを消費する側(首都圏住民)の時間が有限で消化しきれない以上、

 あまり意味がない」のである。

感覚としては、京阪神圏程度のイベント数であれば、なんとか消化できる程度、という感じ。

  • こういう文化人(笑)の連中って何でもかんでも文化(特に文芸的な意味で)の範疇に議論をマッピングして話するよね。 まるで世界が全て(特に文芸的な意味での)文化でできている、...

  • http://anond.hatelabo.jp/20091026194006 マイナー趣味も満たせる利点があるという意味だから、1%で当たり前。東京は毎日沢山のイベントがあるんだから、全イベントに参加できるわけが無い。 ...

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