2009-05-20

論文はだいたいこういう流れで研究が進む。

http://anond.hatelabo.jp/20090519230327

とりあえず教授がやりたい研究を語る。酒の席だったりする。

それを何となく助教に伝えて科研費用資料を作る。この過程で助教精神が崩壊する。資料は抽象的でなんとなくそれっぽい絵とどこかで見たようなアルゴリズムにそれっぽい名前が付いてるだけの資料になる。本音をいうと「初音ミクを作る」と言われる方が楽だ。「教授システム全体を説明できない、今までにない新規性溢れる研究」を始めると、論文が通るとか以前にそもそも誰も修士すら取れない。

その資料でも何故か科研費は通る。「おもしろいですね」っていう展開になり、他の予算が付くことも。

決まってしまったので研究をしないといけないので、とりあえずD1とかM1に投げられる。分野ぐらいしか分からないのでいろいろサーベイしてみる。もちろん、サーベイ論文とか書ける以前のサーベイになる。(問題点って特にないよね、とか、教授の言ってるのはこれで実現されてるよね、とか)

研究が始まると、政治的なパワーバランスなどの都合により、今までのサーベイゴミ箱に行くことに。「でも、英語読めるんだから簡単にできるはず」等と言われる。音声処理の研究だったはずがサーバの性能向上になったのに。(極端だけど研究分野変更はザラ。あまり大きな問題はない)

助教はまた初めと同じように教授メールやりとりをする。日を跨ぐと違うことを言うので出来るだけ素早くパワポの資料にしてメールする。なかなかまとまらないが、D1M1B4卒論テーマを決める。何を作るかわからないが、とりあえず実装とか評価の妄想だけして日程表を作る。B4卒論の目次を作る。

放っておくと壮大なシステム、壮大なアルゴリズム、壮大な社会的効果、テーマバグ、労力の割に実現性に乏しいような話がブチ上がってくるので必死で止める。

テーマバグは実現するだけでベンチャーが大成功しそうな無茶な物のこと。例えば人間が何を考えているかを正確に把握して、それらからその人間が本当に欲しがってるものを広告表示するのとか。PCと脳が直結できないのを理解できてない)

 助教はこの段階で死にそうになってる。一応存在する研究会の締め切りが迫ってくると当然毎日徹夜して論文を作成していくわけだが、なんど書き直しても「つまらない」「ここはこういうつもりじゃなかった」「字にすると面白そうに見えないから(システムの)名前考えて」「(仮の)評価が気にくわないから想定環境が~」「やっぱこうの方がいい」「昨日いいこと思いついた」等の必殺技返り討ちにされる。評価をB4学生に取って貰ってるときはメシをおごりながらまた再実験してもらう。論文の締め切りはもちろん守られない。その分のしわ寄せは、単に延期になる。

秋も終わってそろそろ冬になると、卒論修論D論がしっかりできあがって・・・いない。絶対。時間だけが無情にも過ぎるが未だに研究の方向性が定まらない。分からないところは逐一聞きながら実装する。運が悪いと何故聞かなかったと言われる。

年明けのX論提出期限ギリギリ。間に合わないことが確定的になってから評価をとりあえず削ってみる。最初からそれは無理と言い続けた評価軸を削るが教授は不満顔。最初からそんなことは無理ですよと毎度毎度言い続けているが変わらない。評価はアンケートでもいいとか言い出す。それで前も留年者を出しただろうに。やっぱり研究テーマいまいちとかこの期に及んで言い出す。助教は必死で学生の面倒を見る。ていうか論文書いてたりする。みんな死にそうな顔をしているが激太りもしている。

教授が偉そうな顔をして招待論文で夢を語る。

卒論修論D論を出して糞論文と言われる。世間一般的に評価内容にミスがあればファーストオーサのせいにされて(こいつが教授名前借りて全部やったんだから、と思われている)つまらなければ担当教員が批判される。

終わった頃には人数が減っている。そして新入生がやってくるw

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