2008-09-01

大好きな「お姉ちゃん」へ2

http://anond.hatelabo.jp/20080901083917 の続き

その時の怒りはいつものほにゃりふにゃりしている私からは想像もつかなかったものらしい。

ひとしきり怒りをぶつけると心配する友人もほったらかしその「世界」から「ログアウト」した。

涙が止まらなかった。悔し涙って言うやつだと思う。

なんで謝らせてくれないんだ?何で会わせてくれないんだ?何であんたがそれを言うんだ?関係ないだろう?

そんな感じで泣きながら夜を明かし、次の日の仕事仕事にならなかった。

その夜、「お姉ちゃん」はやってきた。私に会ってくれた。私の謝罪を受け入れてくれた。

「あいつはちょっと私のことになるとすごくなるときがあるんだよね」と彼女は笑いながら言った。

ちょっと…すごくなるとき…そんなレベルじゃなかったぞ、あれは。

それからしばらくはいつもの通りだった。バカやって楽しんで…を続けることができた。

でも、異質なものは消えなかった。たまにやってくる「別の中の人」。このゲームに興味が湧いたのか「お姉ちゃん」ではない別の器を持って現れるときもあった。

お姉ちゃん」と同時に存在できるようになった「別の中の人」、でもやっぱり私はその人が嫌いで居て欲しくなかった。

それからまた数ヶ月が経ち、「世界」が大きく変わるという予告がされた。

面積は二倍強、上位職が導入されダンジョンアイテムの増えるらしい。

その時は、ただ純粋に嬉しかった。

どんな世界になるのだろう、と夢想していたあったある日、「別の中の人」に呼び出しを喰らった。

前例前例なので恐る恐る指定された都会の片隅のあんまり人が来ない建物にに向う事にした。

そこには「お姉ちゃん」が居た。でも中身は「別の中の人」。最悪だ…。

少しトゲを持ちつつ何の用ですか、と訪ねる。

「実は引退することになりました」

あぁ、貴方が。どうぞ消えてください。貴方なんか大っ嫌いですから…なんて言えるはずもなく。そうなんですか…と相づちを打つ。

「(お姉ちゃんの名前)がお世話になりました」

…え?

え、「お姉ちゃん」が辞めるの?

びっくりして聞き返す。どうやら間違えないらしい。理由はよく覚えて無いけど一身上の都合とかそんなのだったと思う。

え、じゃあせめて「お姉ちゃん」に挨拶させてください。だめ?なんで?

おい、こら!消えるな!!

そんな感じで「お姉ちゃん」は私の前から居なくなった。

次の日も、その次の日も「お姉ちゃん」は現れなかった。今度こそ、居なくなってしまった。大切なものを失ったような感じがした

この日位を境に集まりに行くことは少なくなった。

それからまた暫くが経ち、「世界」が変わる少し前のこと。

釘バット片手にぼんやり世界散歩していたら集まりのリーダーから呼び出しを受けた。待ち合わせ場所は北の地方都市

珍しいことなので二つ返事で現地に向かった。

リーダーは珍しくシリアスだった。

「実は(お姉ちゃんの名前)とゲーム結婚することになりました」

一応ヒーラー@聖職者である私に結婚式の神父役をやって欲しいと依頼された。

…は?

そのカップリングは意表を突かれました…じゃなくて、「お姉ちゃん」引退したって聞きましたけど?

「…誰がそんな事言ったんですか?いつもいますよ?」

訳が分からなかった。

こちらの事情を全部説明するとリーダー

「訳が分からない!」

を叫んでいた。叫びたいのはこっちの方だ。

お姉ちゃん」と頼んでその日は終わりにし、後日リーダーに呼び出されてたまり場に行くと…居た。

お久しぶりです」と久々の「お姉ちゃん」の言葉

…泣いた。

それから暫くして結婚式当日。

私は神父役という大役を仰せつかりながらとあるミス結婚式台無しにしてしまった。

実は結婚式の際にちょっとした悪戯を用意していた。集まり一の悪知恵に定評のある商人が考案したこの悪戯、見事に進めばとても面白い物になり

これは良いだろう、と全会一致で採択された。ただ、これは複数人の連携が物を言う代物で練習無しのぶっつけ本番だった。

失敗しないだろうと思っていたけど、些細な所でミスをしてしまった。しかも致命的な所で。

失敗をした私は逃げだし隠れて泣いた。

暫くしてゲーム内旦那に付き添われ式場に戻ってきた。混乱などあったものの事態は何とか収束していた。

いつもおどけているゲーム内旦那がシリアスに事態を収拾に勤めていたのがとても印象的だった。

お姉ちゃん」を探したけどもう「ログアウト」した後らしく見つからなかった。

程なくして「別の中の人」が別の存在で現れた。

「とりあえず、暫く拗ねて寝たから」と言っていた。

これを意味することは当時分からなく「そうか、謝れなくて残念です」みたいな事言っていたと思う。

暫く「別の中の人」のお説教を聞かされその日はお開き、となった。

後日、規模は縮小されたけど結婚式を再度行い私は無難に神父役をこなしたことを追記しておく。

その年の夏、予告通り「世界」は変わった。

今までの二倍強に面積は増え、上位職が導入され、ボス狩りができるようになった。レアアイテムも出てきて、高難易度のダンジョンも現れ、さらには攻城戦なんて物も現れた。

別に戦闘能力それなりにあればいいや、の世界から戦闘能力の高さが物を言う世界になった。

世界は急にセカセカし始めた。のんびりだった世界は急に戦いがメインに、ギスギスとした世界になりつつあった。

我が集まりのメンバーも徐々に上位職が増えつつあった。一日やってこない人も出始めた。

何だか急に世界が変わりすぎ、私は取り残されそうになった。ゲーム内旦那のおかげでギリギリの線は保てたけどそれでも一日のうちの幾ばくかは戦いにつぎ込まなければならなくなった。

世界が急につまらなくなった瞬間だった。

私は程なくして集まりから抜け旦那と二人で世界を回るようになった。

二人でも楽しいことはあったけどあの時のような強烈な感動のような物は味わうことはなかった。

集まりは北の地方都市の拠点を移し攻城戦をメインに活動するようになった。「ゲーム内で有名になる」という目標は何処に行ってしまったのだろうか?

偶に拠点に行っても狩りで居なかったり攻城戦やボス狩りの話であんまりついて行けなかった。

お姉ちゃん」とは二度三度会ったきりでその後会っていない。

それから二度三度「世界」は拡張され、ゲームとしては面白くなったのかもしれない。

だけど、初期の雰囲気から様変わりしすぎたその「世界」になじむことができず。私はその世界での冒険を終えた。

3. http://anond.hatelabo.jp/20080901101249

記事への反応 -
  • 1. http://anond.hatelabo.jp/20080901083917 2. http://anond.hatelabo.jp/20080901095116 とんでもなく長い前置きでしたが私が伝えたいことはこれからです。 「お姉ちゃん」への手紙、と言うべき物でしょうか...

  • ふと昔やっていたネトゲのことを思い出したのでこれを書きます。 それは今となって「最悪のネトゲって何?」と聞かれたらまず上位2つに食い込むであろうゲームがβテストだった頃の...

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