はてなキーワード: オウム事件とは
自分で嫁って言いたいけど、六十年代の学生運動やオウム事件(言うまでも無く、村上春樹は『アンダーグラウンド』や『約束された場所で』の作者だ)を引いてこう言ってる。
一方で、ネット空間にはびこる正論原理主義を怖いと思うのは、ひとつには僕が一九六〇年代の学生運動を知っているからです。おおまかに言えば、純粋な理屈を強い言葉で言い立て、大段上に論理を振りかざす人間が技術的に勝ち残り、自分の言葉で誠実に語ろうとする人々が、日和見主義と糾弾されて排除されていった。その結果学生運動はどんどん痩せ細って教条的になり、それが連合赤軍事件に行き着いてしまったのです。そういうのを二度と繰り返してはならない。
あとは、文芸春秋を買うなり立ち読みするなりして確かめてくれ。
追記:
日本で受賞が報道されてから、パレスチナ問題について活動している人たちから問題提起があったのは、有意義なことだったと思いますよ。僕にももちろん言い分はありますが、どんなことだって賛否両論あって当然だし、たとえ僕が批判の矢面に立ったとしても、パレスチナで起きていることについてより多くの人が興味を持ってくれれば、それはそれで意味があります。大事な問題ですから。
ただ一方で、自分は安全地帯にいて正論を言い立てる人も少なくはなかったように思います。たしかに正論の積み重ねがある種の力を持つこともありますが、小説家の場合は違います。小説家が正しいことばかり言っていると、次第に言葉が力を失い、物語が枯れていきます。僕としては正論では収まりきらないものを、自分の言葉で訴えたかった。
いちおう、この引用のみを元手に批評するのはやめておくべきだ、とだけ言っておく。記事全体で一つの読み物として練られているタイプの文章だし、部分を切り出して「真の意図」やら「無意識の偏見」やらを「批評」するのはそぐわないように思う。既に、朝日の紹介記事に対して同種の「失敗」をしているエントリも散見することだし。