音楽はどこにも連れて行ってくれない。
雨の中駆け出す曲をいいなあと思っても、夕立ちに降られれば普通に気悪いし舌打ちしか出ない。
ロックは鬱屈の昇華だなんて言っても、「君」が出てくるだけで疎外感を抱く。
やたらと思い出の保存力が高くて、楽しかった時期に聴きまくってた音楽を久々に流せばその瞬間のムードが鮮明に蘇る。死にたくなる。
しんどい時に聴いてた曲を流しても、当時に戻ったかのごとく厭な気分が再生されて普通に気分悪い。
でもある日突然「分かる」事があるんですよねえ!
この進行や技巧がどうたら、歌詞の解釈が云々。そんな理屈を全て差し置いて、ただ耳に心地良いだけのBGMだった曲が何かの拍子に心の奥の方をこじ開けてくる。思春期の焦燥のように胸がざわめいて、居ても立ってもいられない。
そんな瞬間がまた来るのを期待しちゃってるんですよねえ。
むかしきいてた曲をきいたら今でも当時のこと におい 思い出す 過去に一瞬で連れて行ってくれる