2022-10-04

秋の夜長の終わりのほう

まだ夜が明けきらない時間帯がとても好きだ

おそらく街が一番深い眠りに包まれていて、鼓膜を押し込めるような静寂の中、それでも刻々と空が色づいていく

世界リセットされたような澄んだ空気が少しだけ開けた窓から室内に流れ込んできて、部屋の中が少しずつ浄化されていくようなイメージを感じる

新聞配達バイクが走る音が響く

遠くの方でトラックが行き交う音がかすかに届く

稜線が空と大地とを切り分けて、目を擦りながら世界が少しずつ活動を始める

この時間にしっかりと目を覚ましてその変化を観測していると、現実から少しだけふわりと離れて漂う幽霊になったような気分だ

窓の外を見るたびに、空の色がまた一段を明るくなってきた

虫の声に混じり鳥の鳴く声が聞こえ始める

そろそろ布団に入り目を閉じるとする

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