家の前を掃いてたらチャリで通りかかった若者のポケットから財布が落ちた。
俺はあわてて財布を拾い上げて、
「おーい! 財布落としたよー!」
と遠ざかっていく若者に声をかけた。
気づかずに走り続ける若者。ああ、行ってしまう。もう一度大声で知らせた。
「おーい! 財布落としたよー!」
「すいませーん!」
と言った。よかった。気づいた。
そのまま、お互い無言の時間が流れた。
俺から50mほどのところで振り返り、俺を見ている。
何が起こっている? なぜ動かない?
……もしかして俺が歩いて財布を届けに行くのを待っている?
なぜ拾った俺が往復100mを歩かなければならぬのだ?
ここは俺んちの玄関の前で、財布を落としたのはお前で、俺は拾って教えてやっただけなんだが?
礼を言われたかどうかなどもう覚えていない。
あのまま財布をふたたび地面に置いて家に入ればよかったと今でも後悔している。
帰り道、財布が落ちているのを見つけた 黒い二つ折りの財布で、ガチっぽかった 俺は常に下を向きながら移動してるので、気がついてしまった おもわずチャリキを止めた むかし一度財...
家の前を掃いてたらチャリで通りかかった若者のポケットから財布が落ちた。 俺はあわてて財布を拾い上げて、 「おーい! 財布落としたよー!」 と遠ざかっていく若者に声をかけた...
おまえはどうしようもない大馬鹿野郎だ
よかったネ
財布落とした人も、自分が落とした財布の隣に突っ立ってる人がいたらうぉれっ!?と思っただろうね