2020-06-26

とんち:あるたぬきお話

たぬきはある日、水田の水がなくなってしまう夢を見ます

たぬきは困り果て、たぬきの住処の近くにある祠にお祈りしました。

するとどうでしょう。そこからまばゆいばかりの神様が現れたのです。

神様たぬきに西へ向かえとお告げし、たぬきはそれに従いました。

家を出たたぬき朝日を背にしてずっと続く朝日の中を進みます

そしてたぬきは少しづつ小さくなり、気づけばあの水田へと戻っていたのです。

だけどもたぬきの姿はそこにはありませんでした。

たぬきは小さなたにしになっていたのです。

神様は言いました。あなたは前からこの水田妖精だったのです、と。

あるたぬきお話、その2

まだたぬきたにしになっていない頃。

ある男の子たぬきのことをとても嫌いになりました。

たぬきはとても困りました。

そうして男の子に言うのです。

僕はそんなふうではないよ、と。

男の子はきょとんとしています

だけどもたぬきは続けました。

僕は狂っていないのだからね、と。

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