今の町に住み始めて、生まれた町を除けば最長の5年が過ぎてしまった。
これまで1〜3年くらいで引っ越すことばかりだったせいか、
気づかなかったのだけど、5年経つと町も一巡してくるようだ。
暫く同じ町で暮らしていると、毎朝電車やバスで会う、話さないけど顔見知りの人や、
注文を覚えられてしまっている行きつけのお店の店員さんとかが出来てくる。
でも、そんな人たちも、数年経つと徐々に姿を消してゆく。
それでも、3、4年であれば、この人だけは相変わらずだなって人が結構いる。
しかし、5年経つと、そんな人達ですら、一人また一人と見かけなくなりはじめる。
まるで、自分だけが取り残されて、あいもかわらず同じ日常を繰り返しているようだ。
子供の頃に、一人の夕暮れに感じた気分にもどこか似ている。
今年こそはと思い始めて、もう3年。