何度かに分けて、金を貸していた。金額は伏せるけど、合計すればまあそれなりの額だ。
今思えば貸したのは間違いだった。親友のためを思えばこそ、貸すべきじゃなかった。
金が自分とそいつを繋ぎとめてる気がして、それがなにより嫌だった。なのにそいつの生活は一向に改まる気配がない。このぶんだと全額返してもらうには20年以上かかりそうだった。
別に是が非でも返してもらおうなんて思っちゃいないけど、20年以上もの間ずーっと嫌な気分を頭の端っこに抱えたままこいつと付き合っていくのか、と考えた時、もうダメだ、辛い、と思った。
「絶交する。アホには付き合いきれん。金は返してもらわなくていい。もう連絡してこないでくれ」と矢継ぎ早にLINEで伝えて、しばらく待ってブロックした。アホはお互い様だけど…