大晦日、店じまいをしようとしているそば屋に、一組の家族がやってきました。
「かけそばとおっぱいをください」
「ごめんなさい、もうおそばは売り切れてしまって。おっぱいならあるんですが」
「そうですか・・・では、おっぱいをひとつ」
家族はおっぱいを交互になめて帰っていきました。
その次の年、また、その家族はそば屋を訪れました。
その次の年も。またその次の年も。
けれども、その次の年からは、あらわれませんでした。
「なあおっかさん、あのおっぱいの家族、どうしたでせうね?」
そうして10年、20年が経った頃、そば屋にあの家族があらわれました。
小さかった子らはりっぱなスーツを着て、ワンレンボディコンの女の子をたくさん引き連れています。
「母さん、なつかしいね。かけそばをください。もうおっぱいはたくさんあるんだ」
そば屋の店主はこれまでのことを思い出して目を細め顔を赤らめ、滂沱の涙を流しながらこう言いました。
「お題は結構ですので、私にもおっぱいを」
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