と思って目を醒ましたが、違った。
壁際の見えないところからごそごそと音がする。
何か硬めの殻を持つ虫が物陰を高速で歩いている音だ。
そっとジェット系殺虫剤を手に取り、しかしその殺虫剤は先日飛翔系の奴をたたき落とすために使ったものだったと気づく。
まあでもいいや。ないよりまし。
物陰に噴射する。
割と濃密に噴射する。積み上がった雑誌や雑貨が合成化学物質で汚染されていく。
物音のリズムが激しくなっていく。姿は未だ見えない。だが位置はじわりじわりと動いているようだ。
動きに沿って、むしろ先回りするように薬剤を噴射していく。
しばらく物音と、噴射音とが繰り返され、やがてどちらかが諦めた。
一息つこうと、隣の部屋に来て、いまこれを書いている。
誕生日にこんな御祝いらんかった
どうしようもない気分を増田に書き散らかし
どうしようもなさだけ押しつけて
満足して俺は24時間スーパーに設置型対策グッズを買いに出掛けるのだった
つづかない
お誕生日おめでとう。