街路樹を歩いてふと気が付いた。あれ、俺このままヤれないんじゃね?この疑問はもうどうしようもなかった。なにぶん顔は斜めにひん曲がっており、とてもじゃないが女性とは付き合っても願ってはいけないような顔だったからである。家に帰ってやることは、いささか不気味だったため人には言えないがこのままでは、とふと思った。この世は最初に配られた手札で勝負事をしなければいけなのだがあまりにも窮屈だった。だが一見何もないようなものに見えてかすかに透けて見えるものがある。俺はそのままほおっておくものなのかなと世間の意味のない愚問に問いかけなかった。これがいけなかった。どうやらここはそういう世界だったんだ。俺はひとまず様子を見ることにした。