■足元で犬が寝ている
土間の小さなストーブの上で、やかんが湯気を立てている。
傍らに敷かれた毛布の上で、少しくたびれた感じの犬が、足を横に投げ出して寝ている。
垂れ耳で中型の、種類も分からない、よくいる雑種。親のツテで保健所からやってきたので、
正確な年は分からない。その時の獣医の話によると、5歳は超えているだろうとのこと。
人でも犬でも誰彼構わず尻尾を振ってしまうので、番犬にはならない。
そんな性格だから引き取られたのかもしれないし、彼なりの処世術かもしれない。
犬を上(室内)で飼うことは考えられないクラシックな家だけど、
田舎なので小屋だの土間だの、屋根の下で犬が寝っ転がるくらいのスペースはある。
ここへ来て2回目の冬を迎える犬が、足元で穏やかに寝ている。
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