最後、別れるとき、涙が出てきた。
またすぐ来ようと思っているし、また会えると思っているのに。
もっと意識の深いところで、もう会うことはないだろう、最後かもしれないと感じているのだろうか。
小学生の頃のある夏を思い出した。その頃は家族四人で毎年夏休みは飛行機に乗って祖父母のところを訪ねていた。ある年、夏の滞在が終わって飛行機が離陸するとき、空港で笑顔で手を振る祖父母の顔を思い出して涙が出てきたことがあった。おかしなことだと思った。毎年来ていて、来年もまたきっとくる。泣くほど悲しいことは何もない。でも、その次の年から祖父母のところを訪ねることはなくなった。
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