離婚して数年がたった。
気楽な独り暮らしで、休みの日には好きなことして生活を楽しんでいるけれど、やはり、なんというか、異性への飢えのようなものは出てくるわけで。
ただ若い時と違って、それは、身を焼く情欲というよりは、ふとした瞬間に降りてくる淡い苦しさのようなもので。
職場の若い女の子に、気にかけてもらったこともあるが、こんなおじさんより若いやつ探せよ、とカッコつけなのか臆病なのか、たぶんその両方なんだけれども。
若い世代のキラキラ輝くような恋愛感情はもう二度と戻ってはこないことを知っている。
たぶん、君が思うようには、おじさんはキミを愛せないと思うよ?
一方で、本当には一人でいられない苦しさが、ときおり、おっさんの心のフタを持ち上げようとする。
すぐに閉じるんだけどね。
もう、これは、アレだ。
神は天にいまし、全て世はこともなし。