僕は教室に入った。
真ん中の席に座った。
全ての席に僕が座っていた。
僕の後頭部が痛む。
酷い頭痛が続く。
色んな席の僕が苦しむ。
呻く。
窓の景色が回転していく。
夕日が横を通り過ぎていく。
教室が回転していく。
世界が回転している。
教室はうめき声で満たされる。
僕は黒板を見た。
チョークの粉が薄っすらと付いていた。
黒い箇所を見る。
黒い箇所を見る。
黒さが広がってきた。
全体を覆ってきた。
夏だった。
よく冷房の利いた教室から窓の外を見ていた。
アスファルトの道路を見ていた。
黒い影が落ちた。
動かない生徒がアスファルトの道路に寝ていた。
生徒は動かなかった。
生徒はうつ伏せだった。
外は暑いが教室の中は涼しかった。
僕は椅子を引いて座り直した。
ポケットから財布を取りだした。
財布入っている小銭を数えた。
僕は焼きそばパンを買おうと思った。
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