2017-01-03

カビ・キラ

蛇口の水音の 合いの手つぶやいた

「君らは 泡のよう」

そう 消えてしまふたり

溶け合って 流れて 消えた

こころ 泡模様 除菌できないほど

ふれあえば もう二度と会えない

ひとつき限りの 恋だから

わたしは カビ嫌い」

そうやって なんどもうなづいたって

けして報われないのは 塩基性の恋だから

浸透されゆく感情の ねに聞く五分前

カビ・キライ ココロの奥の奥

芽生えた アナタというカビの根 (カビ・キライ)

とりのぞきたいのに アナタなしじゃいけない (カビ・キライ)

ぴたりゴムパッキン バスルームふたり

カビ・キラ

(浸透する音)

アナタに 触れられない

アナタと 抱き合えない

カビ・キラ

もうかなわないくら

ふれあえば もう二度と会えない

ひとつき限りの 恋だけど

わたしは カビ嫌い」

そうやって 涙が頬をつたって

決して報われないなら ここでワタシ終わりたい

浸透されゆく感情と油汚れに

カビ・キライ ココロの奥の奥

芽生えた アナタというカビの根 (カビ・キライ)

とりのぞきたいほど アナタが好きだった (カビ・キライ)

ぴかりゴムパッキン アナタが好きだった

忘れない カビ・キラ

もう会えない カビ・キラ

カビ・キライ なのにな

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