2016-10-18

私の大好きなおじいちゃん

私が生まれ育った滋賀県田舎では、

大雨が降ると、鯉とかオオサンショウウオが上流から流されてきた。

うちはお寺だったけど、肉や魚は普通に食べていて、

住職をしていたおじいちゃんは特にオオサンショウウオの肉が好物だった。

から、雨が降り出すと、おじいちゃんは、

もっと降らんかのぅって楽しみにしていた。

私はそんな嬉しそうな顔をするおじいちゃんが大好きだった。

ある年、秋も終わりの頃に、台風関西方面に直撃する時があった。

おじいちゃんは、

「ひさびさにオオサンショウウオの肝が食べたい」といって、

家族が止めるも聞かず、網をもって川にいってしまった。

そして、おじいちゃんは川に流され、帰ってこなかった。

翌日、警察が川を捜索をしたところ、3km下流川岸で死んでいるおじいちゃんが見つかった。

なんでも、その時のおじいちゃんの屍体に、

オオサンショウウオが群がっていたそうです。

から、いまでも私はオオサンショウウオを食べると、

ああ、これが大好きなおじいちゃんの味なのかなー、と思うのです。

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