■君と僕は、同じ空を見ていると思っていた
「今日は空が赤いんだ。」
そんなメールが来て、僕は僕は空を見上げた。
君と僕が住んでいる街はとても遠い場所だったけど、僕の街も空が赤かった。
僕はいてもたってもいられず、窓から外に出た。
そして、君に電話をかける。
「俺いま、外にいるんだ。こっちも空が赤いよ。」
その時、僕は気づき始めていた。
君が僕を好いていてくれること。そして、自分の気持ちは「恋愛の好き」とは違うものであったこと。
....
それから一年以上が経って気がついた。
空が赤かったのは、偶然じゃない。ただ街の街灯が赤かっただけだってことに。
偶然の巡り合わせは、ただの必然だった。僕たちの見ていた空は違う空だった。
もしかすると、君の見ていた空も、ただの街の街灯だったのかな。
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