この人は、他人に屈する以前に自身の無気力に屈していることに気づいていない。
こういう人に限って、他人に勝つためにと言って、卑劣な手段に訴える。たとえば、
受験勉強なら、自己を高めるための場ではなくて、他人を蹴落とすための場だと考える。
自分が勝つためには、どんな手を使ってもかまわないと考え出すようになる。
挙げ句の果ては、他人を攻撃することに喜びを見いだし始めるのである。
社会の悪徳を助長することはあっても、正義を伸張することはしないからである。
本当の勝利とは、自己に対する勝利に他ならない。他人を見下すことで得られるものでは決してない。
憐れな人だ。