その日はマラソン大会に出るはずだった。
久々に見かける、昔恋した人。私の隣の家に住んでいる。
そして、私はそのインターフォンを押して、彼女の家系の悪口を叫んでしまう。
私は焦燥に駆られ昭和の貧民街のような商店街を疾走する。
ゴールテープが切られ、葡萄色の賞品が渡されるが。
罪の意識から私はそれを受け取らない。
少し気の軽くなった私は、あの宙に浮きながら歩くような方法で家路につき、
マラソン大会に出なかった言い訳を考えている。
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