ボンキュッボンのセッシ盆
ボンキュッボンのセッシ盆
赤子泣いても蓋とるな
ボンキュッボンのセッシ盆
焼き肉焼いても家焼くな
あれは私がまだ幼かった頃、お母さんは夕焼けで父さんは胸焼けだった。
わかってくれるだろうか?皆さんにもお分かりいただけただろうか?
焼き肉屋さんでお代わりをいただこうとしたら中盛りか大盛りか聞かれたことがあった。
中盛りも食べきれなさそうだった私は小盛りを食べようとした。
蝙蝠は雑食性で何でも食べるらしいがフルーツしか食べない種もいるらしい。贅沢な奴め。
カルビ、ロースと食べ進めていたところ、不意に父のポケベルが鳴った。
座敷には私と母と姉だけだった。
そこに先ほど頼んだ蝙蝠の姿焼が届いた。
「お父さんが帰ってくるまで待っていようね」という母の言葉に私は不承不承頷いた。
しかしその日を境に父が帰ってくることはなかった。
毎年この時期になると思いだす幼いころの記憶だ。
ボンキュッボンのセッシ盆