2017-06-06

もう戻らない日のこと。

1Kに二人暮らし

ユニットバスって湯船に浸かるプロセスを踏むにはどうやって入るのが正解なんだろうとか、そういうことを考えながら暮らしていた。

朝は起きることが出来たら学校に行って、行かなかったら昼までダラダラと過ごして、お風呂に入って、夜になったら飲みにいく。

ある時は夕方ごろ「そろそろ買い物に行くかな」なんてひとりごちて。

身だしなみも整えずスーパーに行ったら先輩がバイトしていて狭い店内を逃げ回りながら買い物してでもバレたり。

「何時に帰ってくる?」と聞きながら帰って、鼻歌交じりに晩御飯づくり。

食べ終わったら0時ごろから夜の散歩。途中のコンビニアイスを買い食いしたり、タバコを吸ったり。

帰ってきてベッドに倒れこんで、暑い狭いと文句を言いながら眠りにつく。

またある時は夕方から眠ってしまって、気づいたら19時とかで。

晩御飯どうするー?」なんて言ってる間にまた15分くらい眠ってしまって。

重い腰をあげてご飯を食べに出て、帰り道時々無意味に立ち止まりながら自販機お茶を買って帰る。

ひとりでいる間は妙に時間が長く感じたりした。

徒歩10秒の行きつけの焼き鳥屋に飽きずに通って、酔っ払って。

世界中から甘やかされた、夢みたいな日々だった。

すっからかんになった部屋を見て、「寂しいなあ」と感じるより先に「片付けの時に虫が出てこなくて良かったな」と思った。

家主より好きになった街を後にする最後の日に少しだけ、寂しくなった。

焼き鳥屋焼き芋屋さんもパン屋さんも(あれ、食べ物屋ばっかりだ。)、タバコ屋さんもあの道もあの夜の匂いスタジオも忘れられない、色濃い思い出。

あー兼好法師

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