2017-04-10

忘れてしま

もうずっと昔のこと。

ヒト一人が生まれて、大人になって、そこからまたヒトが生まれるぐらいの昔のこと。

だけどすごく大事な、自分の中ではとてつもなく大事なこと。

だったのに。

あの時はあんなに忘れないって思ったのに

忘れられるわけなんてないって思ってたのに

そんなことは不可能

気が付いたらそのことを一度も思い出さずにいる日があって

そんな日が気が付いたら週に何度もあって

気が付いたらそれが1ヶ月の半分ぐらいになって

でも時々思い出して泣くんだよ

つの間にか、思い出しても涙が出なくなって

つの間にか 思い出せていたはずのディテールあやふやになって

つの間にか 靄がかったようなぼんやりしたものになって

その頃の辛かったことなんてもう思い出せないけど

その頃の幸せだったことだけは何故か消えなくて

壊してしまった理由は鮮明に覚えてるのに

あの日激情はとうに消えてしまっていて

悲しみは薄れこそすれ

愛しさは消えることはないのに

それなのに、思い出せない

今もこんなに愛おしく思っているのに

忘れてしま

砂時計の砂粒よりも小さい欠片になって崩れていくように?

素焼きの器から水が染み出していくように?

つの間にか

その笑顔さえも

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