この世界はシミュレーションの中にあるかもしれないといいますが、その前に。
そもそもシミュレーションの世界、本物の世界とは一体なんなのでしょう。
仮に t-1 の状態から t が計算可能な決定論的な「本物」の宇宙U1が存在したとして、
別の法則をもった宇宙U2の中でたまたまU1世界のある時点の t-1 から t を計算するということが行われたとしたら、
そのときU1の宇宙は「シミュレーションの中にある」のでしょうか?
考え方としてはその計算が行われるのは宇宙U3でも宇宙U4でもU99999999でもよいので、どこかの宇宙ではそのような計算が行われているはずです。
では決定論的な世界はすべて「シミュレーションされた世界」なのでしょうか。
そう考えると――例えば決定論的な世界の中で、t-1の状態には影も形も存在しなかった空中ディスプレイがポップアップして"こんにちは"と表示されるような――エデンの園配置の宇宙状態であれば、それは「シミュレーションによってしか作り出し得ない宇宙状態」と言ってよい気がします。
他の考え方としては計算に還元できない意識というものが存在しており、その意識が存在する世界が「本物」であとは「シミュレーション」だと言う考え方もある気がします。