ぼっちには慣れている。ファミレスに入った瞬間から人差し指を立て上に向けた。もはや「1名です」の言葉すら煩わしい。
満面の笑み、のお面をかぶったような女性店員があらわれる。「オキャクサマ、キンエンデスカ?キツエンデスカ?」彼女は決して外国人ではないが、もはや喋る言葉に感情は見当たらない。
私は「禁煙で。」といってそそくさと人と間隔の空いたテーブルへ座る。客はどいつもこいつも群れてやがる。ニコニコと談笑していて、何が楽しいんだか。
女性店員がお冷やを持ってきた。ついでにカツ丼を頼む。「ハイ、カシコマリマシタ♫」おいおい、音符つければ誤魔化せると思ってんのか。
彼女はファミレスのパートに最適化した個人であった。そのためには、笑顔のコスト、愛嬌のコストをミニマムにする必要があったのだ。
その笑顔のようなお面の裏には、いったいどんな顔が潜んでいるのか。知る由もない。
次回は、増田でもミニマリストを目指そうね。