三十代半ばを超えてるのに彼女がここ数年もおらず焦っていた。
何か行動せねばと思い足を運んだ街コンや婚活パーティー。
様々な世代の異性と知り合える出会いのバブル。
連絡先を聞き出し後日改めて食事をして、しかしまた次の出会いを求めて数ヶ月。
そして肌寒くなり始めた今、何も残っている物が無い。
独り身のままだ。
休日の今日、一人で週末に大型書店に本を買いに行った。
レジ接客は眼鏡をかけた地味目な女性店員。
普通の接客。
こんな人がいいなと思った。
普通でいいな。
しかし、街コンや婚活パーティーで出会ったとしたら目にもかけなかったタイプ。
なぜだ。
婚活市場の中に入ると錯覚に陥ってしまうのか。
変に贅沢になってしまうのか。
そんなことを考えていたら、自分みたいなのが婚活マーケットに多くのお金を投資し、婚活市場が潤っているのかと気付いた。
いつの間にかおれは婚活市場のいいお客さんだ。
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