小学校の時、日記の宿題が凄く嫌だった。というより全く書かなかった。先生にいくら叱られようが居残りで書くように言われて提出するまで帰さないと言われようが断固として書くのを拒絶し、結局一文字も書かないで小学時代を終えたように思う。
嫌というか、書かなかったというよりは「書けなかった」という方が正しかったように思う。要は先生に読まれる事を想定して書くネタやら言葉を慎重に選んで書いていくという作業が必要なわけで、そんな高度な技術は当時のハナタレ小僧の自分には到底不可能だったという事だ。
- 今日は5年生のたかし君の家で煙草を吸いました。たかしくんは「煙草の匂いを消すにはブルーベリーガムが一番」と言っていました。みんなで煙で輪っかを作る練習をしました。
- カエルの口に爆竹やロケット花火を突っ込んで爆発させて遊んでいたら、ロケット花火が一本だけ製材所の中に飛んでいったので、そのあとすぐにそこのオッサンがものすごい怒った顔で追いかけてきました。みんなで川の向こうまで自転車で逃げました。
- たかし君はよっくんに「ペンギンのマークじゃないガムを買ってこい」と言って買いに行かせたのに、よっくんはペンギンのマークのガムを買ってきたので、たかし君に思いっきり殴られていました。よっくんは大声で泣きながらもう一度買いに行かされました。グリーンガムってはっきり教えないたかし君が悪いと思ったけど、よっくんはえいごが読めないのでしょうがないとも思いました。あと、よっくんはたかし君に100円貰ってガムを買ってきたはずなのにまだそのお金を持っていたので、たぶんガムはパクったんだと思いました。
- 今日はお墓で鬼ごっこをして遊んだ。りゅういちがよっくんを追いかけてた時にお墓を倒してしまった。みんなで力を合わせて元に戻そうとしたけど重くてだめだった。しょうがないのでこのことは絶対にひみつとみんなで言い合ってそのまま帰った。
- ひろし君の家でスコラというエッチな雑誌を見せてもらった。口にちんこを入れるのは汚いなと思った。「フェラチヨっていうんだぜ」とひろし君は自慢げに言ってきた。ぼくより1こ下なのにひろし君のちんこはムケていてぼくよりも大きい。
- 久しぶりに川で泳いだ。水着無しで泳いだのでちんこが変な感じだった。台風のあとだったので茶色の水だった。潜ると目の前も自分の手も体も何も見えない。流れる方向に泳ぐとものすごいスピードで泳げるので面白い。調子に乗って泳いでいると下まで流されそうになったので、五年のたかし君に助けてもらった。結構危なかった。
もしも先生の言う「何も書くことが無いって、嘘もいい加減にしなさい」「ありのままを書けばいいじゃない」というのを真に受けて書いていたならば、こんな日記になっていた筈だ。
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