2024-10-15

中尊寺落慶供養願文抜

二階鐘樓一宇

懸廿釣洪鐘一口

右、

一音所覃千界不限

抜苦興樂

普皆平等

官軍夷虜之死事

古来幾多

毛羽鱗介之受屠

過現無量

精魂皆去他方之界

朽骨猶為此土之塵

毎鐘聲之動地

令冤霊導浄刹矣



二階の鐘樓一棟。

二十釣の洪鐘一口を懸ける。

この鐘の一音よ、時空を超え宇宙にひろく限りなく、

苦しみを抜き楽を与えるよう、

生きとし生ける一切衆生にあまねく響け。

官軍そしてエミシの虜囚たち、

古来幾多の者がこの地に屍れてきたことか。

それだけではない、

毛をもつ動物、翼ある鳥、鱗もつ魚たちもまた殺されてきた。

過去より今まで、その数はかぎりを知らない。

ありしものたちの魂はすでにこの世にないが

朽ちはてたその骨は奥州の土くれとなっていまだこの世にある。

この鐘のうち鳴らされるごと、大地よ鳴動し、

罪なく命うばわれしものたちの魂をなぐさめ、かれらを清浄世界へとみちびけと。

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