いつものように彼女に「私のどういうところが好き?」と言う風に聞かれた
僕がいつものように「顔も好き、声も好き、性格も合っていると思うし」といった具合のことを答えると、やはりいつものように期待はずれというような反応だった
ふと、逆に彼女が僕のどこを気に入ったのかを知らないことに思い至り聞き返してみると
返ってきたのは
「体調を気遣ってくれるところ」とか
「荷物を持ってくれるところ」とか
他には他にはと聞いてみても返ってくるのは「〜〜してくれるところ」
悪く言えば「あなたが自分にとってどう役立っているか」というところばかりに尽き、僕の実質的な点は一切触れてくれなかった
それが正直全く嬉しくなくて、彼女と同じように不満げな顔をしてしまったかもしれない
お互い期待するところが違ったのだろうか
褒められを待っていたことや、別に顔も声も性格すごく好きというわけではないことがバレてしまうのを恐れて、その話はそれ以上深掘りしなかった