もう遅い。私は既に34歳で、同年代は皆それぞれの人生を歩んでいる。いまさら過去の縁を頼って伴侶に巡り合うようなこともあるまい。すでに友人の類はなく、同窓会にも背を向けてしまった。では外にと目を向けてみても、私に合うような人間は、ただでさえ狭い母数の中でも、さらに極小一握りといった様相である。別に私を大きく評価した傲慢から言うのではない。むしろその歪な貧弱ゆえにである。そういうわけで、いざ一念発起して、やがて来たる大切な人のためにと金を稼いだところで、そんな人間に巡り合わないまま死んでいく可能性の方が、はるかに高いように思える。
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