■春の中に佇む暖かい夜が好き
ようやく冬があけて、夜になっても寒くない。
気分転換に外へ出ると暖かい風が頬を撫でる。
何処に向かうでもなく目的を定めず少し歩こう。
街灯が柔らかい明かりを灯し、何処からともなく家庭の匂いが漂ってくる。
暑くも寒くもない、ちょうどの心地よさ。
まるで夢の中にいるようで、何もないのに心が躍り、何もないから心が躍る。
気づくと少し先にコンビニがある。
立ち寄って、少し火照った身体を冷ますようにアイスを買った。
食べながら歩いて、アイスが美味しくて思わず微笑んでしまう。
ふと顔を上げると月が綺麗で、立ち止まって見惚れてしまう。猫が道路を過り雲が月を覆う。ちょっと驚き、苦笑する。それでも世界の美しさを思い出した気がするんだ。
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