2023-12-24

イブ

この街にまた クリスマスイブが来る

ラジオから戦争を告げるニュースが流れている

すれ違った人はボロボロの鞄を抱えて舌打ちをした

ケーキから砂糖たっぷりの灯が駐車場まで溢れている

でもこの街に君はもういない

いつからだろうか

ゴミ箱にも駅にも学校にも君はいない

口を空けて泣いてみると二酸化炭素が頬をそっと撫でて

涙が乾いたアスファルトにじんわり染みていった

寒いだけのイブ

雪も降らない寒いだけのイブこの街に来る

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