この街にまた クリスマスイブが来る
ラジオからは戦争を告げるニュースが流れている
すれ違った人はボロボロの鞄を抱えて舌打ちをした
ケーキ屋からは砂糖たっぷりの灯が駐車場まで溢れている
でもこの街に君はもういない
いつからだろうか
ゴミ箱にも駅にも学校にも君はいない
口を空けて泣いてみると二酸化炭素が頬をそっと撫でて
涙が乾いたアスファルトにじんわり染みていった
寒いだけのイブだ
雪も降らない寒いだけのイブがこの街に来る
Permalink | 記事への反応(0) | 18:16
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