あいつが死ぬとは思わなかった
決して丈夫な奴ではなかった
決してすべての人から守られる存在ではなかった
でも一部の人には必要とされていた
あいつには確かにそこに存在意義があった
俺も必要としていた一人だった
俺みたいなやつがいればいつまでも一緒に生きていける
そう信じていた
信じていたかった
でも死んだ
死んでしまった
一部だけでは守り切れなかった
そんな存在だった
増田が死んでから早1年がたった
ふとした時に増田と過ごした日は何だったのかと思い返すことがある
でもこれといった思い出が浮かんでくることはない
その程度の存在だった
増田との日々は無駄だったのかもしれない
俺は気づいてしまったのだ
でも本当に無駄だったのか
無駄と気づいたことは無駄じゃない
この先の人生は増田を反面教師として過ごしていきたいと思う
俺のこの決意もいつの日か無駄と感じることになるんだろう
Permalink | 記事への反応(0) | 10:45
ツイートシェア