2023-07-26

令和むかしばなし 浦島・兼重宏行・太郎

れいれいわ、あるところに浦島・兼重宏行・太郎という心優しい青年がいました。

浦島が漁村の浜辺を歩いていると、子どもたちが集まってなにかしているのが見えました。

近寄ってみると、子どもたちは大きな海亀いじめているではありませんか。

子どもたちの手にはゴルフボールの入った靴下が握られていて、それを使って海亀を殴りつけているのです。

浦島はあわてて間に割り込むと、子どもたちに向かってこう言いました。

「なんてことをしているんだ。すぐにやめなさい」

子どもたちは少しうろたえて、

「おらの家は獣医だ。この亀をケガさせて家で治せば、ほけんきんがもらえるだよ」

と返します。

浦島は、子どもたちをさとすように言いました。

「それはゴルフ愛する人への冒涜だ。許されるものではないよ」

子どもたちは、何いってんだコイツ、と思いました。

海亀も、何いってんだコイツ、と思いました。

しかも浦島は、この村の村長だったのです。

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