とっても大事で、大事で、それはMちゃんにとってかけがえのないものでした。
いつもは他のものにばかり目を移していました。
Mちゃんはそう言って、その宝物をいつも大事に、大切にしていました。
そうして何年も過ぎていき、Mちゃんも年少から年長、大人へと成長していきました。
それでもMちゃんは変わらず、宝物を大事にしまいこんでいました。
そうして時間は瞬く間に過ぎていき、Mちゃんも気付けばお母さんの年齢を通り越していました。
ひとりぼっちとなってしまったMちゃんはそのときようやく、しまいこんでいた宝物をとりだしました。
そして宝物と向き合い、じっと見つめていると、ふしぎとぼろぼろと涙が流れてとまりません。