藤本タツキの読切り漫画はすごい。これは疑いようがない。しかし好きと言わない、言えない人がいるのも分かる。これはこの作者の持ち味とも言える、露悪的な部分がやっぱり残っているから。
たとえば藤野が(小学生の未熟さを表したとはいえ)自身の漫画力を得意げに語るシーン。あ、この後コイツは落とされるな、ということが明白で、恥をかかせる気満々の意地の悪さにも感じられる。(ただ、この悪意は何より作者本人に向いているようで、それも居心地の悪さにつながり得る。悪意の根拠が不明だから。)
しかし全体を見た時の完成度は言わずもがな、こんなものを見せられたら、特に創作に関わる人間には刺さるとしか言えない。
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